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billabong

ぼちぼち思うことを書いていきたいと思います。 *^ー^*

「複合汚染」Part2:殺虫剤、官僚機構、安全 

有吉佐和子複合汚染」新潮文庫(1979年)から
気になったところを転載します。

=========
BHC 殺虫剤 P102〜104
・・BHCという殺虫剤について言えば、日本人は
アメリカ人の数十倍のものを体に蓄えてしまっている。

米作地帯で最も多く使われたのがBHCであったから
であり、それほど多量に農作物および農土に散布され
ていたからである。 ・・・


BHCはヨーロッパの学者が合成したものだが、それ
は日本でいえば江戸時代に当たる頃である。(1824年)

第2次大戦の最中に英国がこの物質の殺虫効果を発見し、
日本が戦争に敗けた年から石炭や石油を原料にして
大量生産を始めた。


日本には戦後2年目に導入され、たちまち12の企業の
手で生産され、農村に送り出された。・・・


BHC原体の中で殺虫効果が抜群なのはガンマー
BHCであり、このBHCは比較的分解が早く、
人間の体に入っても数日間で腎臓から排斥される。
だからガンマーBHCは体に蓄積されることがない。


BHC原体からガンマーBHCだけ取り出すのは
非常に簡単であるにもかかわらず、日本の農薬会社は
その手間と経費を惜しんでアルファもベーター
も混じったBHC原体をどんどん農村に売ってしまった。

アルファBHCも、ベーターBHCも、殺虫効力はないに
等しいが、分解しにくいので人体には残留する。
もちろん土にも残留する。
・・・


彼らをチェックする期間は、農林省と厚生省だが、
彼らは欧米諸国で使われているBHCはガンマーBHCで
あることを知っていても、何の手もうたなかった。

外国はガンマーBHCに限って使用許可をだしているので、
日本のような汚染問題は起きていない。
・・・

日本のBHCは1971年にようやく使用禁止になったが、
土におびただしくしみついた残留汚染がほぼ消える
までガンマーBHCでも6年半かかるといわれている。


P109
日本におけるBHC農薬は、いきなり農家の人たちに、
その及ぼす危害について何も知らせず、無差別どころ
か強制的に押し付けられたといっていい。


農家の人たちは、農林省ならびに農協および農薬会社
を信用し、科学を盲信して、世界で最も質の悪いBHCを
ふんだんに農地へ散布してしまった。


その中の十数パーセントしか効力がないのも知らず、
8割以上は無意味でただ危険だということも知らず、
青い稲に吹きかけ、稔る前に吹きかけ、おかげで害虫が
出なかったと感謝をこめて、1匹も虫のいない農作物の上
にも撒いてしまった。

・・・


アメリカの真似ならなんでもする愛すべき日本国では、
(DDTは)アメリカ全土が規制して1年後に全面禁止になった。
アメリカでは綿花の栽培と森林業に限って除外例を設けたが、
日本は全面的に禁止してしまった。


日本人は完全主義者なので、使うとなれば世界のどこより沢山
使うし、やめるとなればなんでも全面的にやめてしまう。
BHCもドリン剤も同じ年に一斉に全面禁止になった。
人体に蓄積しないガンマーBHCも除外しなかった。


1971年に禁止されたDDTとBHCが、それまでに日本の
農地に叩き込まれた量は、耕地面積当たりでアメリカと
比較すると実に6、7倍という驚くべきものであった。


「どうしてこんなことをしてしまったんでしょうね」
私がため息をつきながら聞くと、
専門家は、
「売れば儲かる人たちがいたからでしょう」と憮然
としながら答える。


「農薬会社ですか」
「どれと、農協がマージンをとります」
「ははあ」
「農業協同組合によっては農薬の製造も手がけて巨大な
 複合産業体になっているところもありますからね」

「しかし農協を監督する立場にいたのは農林省の
 行政官じゃありませんか」
「官僚機構というのは誰も責任をとらないですむ
 ようになっていますよ」


*この文章をよんで、少し前にドキュメンタリーで
していた関東でのヘリコプターで農薬散布のことを
思い出した。こんな狭い日本なのに、ヘリコプターで
散布すると聞いただけで、周辺汚染が懸念される
が、そのドキュメンタリーでは周辺住民の化学
物質過敏症がとりあげられていた。


BHC
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=2230


行政システム P137
筆者が日本に輸入される穀物について、農薬の検査
がどこでやっているか尋ねたところ


1.農林省植物防疫課:植物についている害虫の
           チェックが仕事
    ↓
2.農林省食糧庁輸入課:輸入する穀類の名称や
           数量なら答えられるが。
    ↓
3.農林水産技術会議総務課:食糧庁輸入課で
   わからないなら、こちらでもわからない。
    ↓
4.通産省輸入課:農薬は関係ない。何をどれだけ
   いれるかという仕事をやっているだけ。
    ↓
5.厚生省食品衛生課:食品衛生法では第16条で
   輸入の届出を義務付けています。
    ↓
6.厚生省食品衛生監視委員事務所
   たった一人の食品担当専門官が
  「農薬の検査ですか。やらなければと思っています
   が、この事務所だけでも年間3万件をオーバーして
   いますのでね。


*この執筆から約30年以上もたった今、状況は少し
ましになっているようだが、安全チェックには、
管理コストもかかる。

監視は、何のしがらみもない専門スタッフのNPOで
行うほうがいいと思う。


食べる物だけに関わらず、最近のジェットコースター
事故、公園の遊具事故、プールの事故、エレベーターの
事故などでも 同じような社会システムの構造がある。
多くは規制もなく、自治体で管理されており、事故など
の情報の共有が他の自治体となされていないとのこと。


政府:輸入食品監視業務HP
http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/tp0130-1.html


5月10日追記 まえにshinjiさんに教えてもらったコンパニオンプランツ
(仲良し草?)、農薬を使わず、草取りでしないで植物を育てる方法が
この本にも書かれていた。

参考
http://www3.loops.jp/~lwb/prevention/index.html

============

「しかたがない」を あなたの辞書から追放しよう!
http://www.mypress.jp/v2_writers/wallaby97/story/?story_id=1176279

有吉佐和子「複合汚染」 Part1
http://www.mypress.jp/v2_writers/wallaby97/story/?story_id=1605113

Part3: みみず につづく
http://www.mypress.jp/v2_writers/wallaby97/story/?story_id=1606158

Part4:火薬、肥料、毒ガス、農薬、戦争
http://www.mypress.jp/v2_writers/wallaby97/story/?story_id=1607481

Part5:最終回 食品添加物、PCB,ファクトリーファーミング
http://www.mypress.jp/v2_writers/wallaby97/story/?story_id=1618925

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category: サステイナブル

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コメント

うちの近所も。。。

有吉佐和子さんの「複合汚染」って、あずーるさんが紹介されていた本ですよね。うちも田園地帯なので、思い切り残留汚染にさらされているのかと思うと、なんだかゾッとします。それと、ヘリでの防虫剤散布はこの辺りでも行われています。山の松を守るためということらしいですが、これも非常に気持ち悪いです。
>監視は、何のしがらみもない専門スタッフのNPOで
行うほうがいいと思う。
そのとおりだと思います。利害関係が絡んでいては監視になりません。
vannsonn #79D/WHSg URL [2007/05/09 01:02] edit

ヘリでの防虫剤散布

うぁ〜、vannsonnさんの近所でも、ヘリで散布されているなんて気持ち悪いですね。
正直いってヘリでの防虫剤散布のドキュメンタリーみて、まさか日本でもやってるなんて〜ってってショックでした。
国土の広い米国や豪州なら効率を求めてというのはわかりますが、日本では北海道以外は ほんとうに狭いし、風で周辺にもたらす影響が心配です。
昨日は、大阪、初夏のように暑かったのですが、九州では光化学スモッグ注意報が40数年ぶりにだされたとかニュースでいってました。中国の大気汚染が風でながれてきているのではと心配です。先月には、中国からの黄砂で関西の空はどんよりでしたし。
>利害関係が絡んでいては監視になりません。
本当にそのとおりですよね。そのうえ、現在の公務員がするとコストも高いし。
建築物の耐震偽装の監視でも同じようなことがいえると思います。
あずーる #79D/WHSg URL [2007/05/09 12:07] edit

複合汚染

複合汚染読みましたね。
この本凄いですよねぇ。
そして日本も凄いです。
おいらが驚くのは、そこに書いてある事にくらべて、多分30年以上立つのに、少し良くなった事や、新しい汚染や、悪くなった事や小さな変化はありますけど、全体として今の現実と大きく変わって無い所なんですよね。
多分、今良く言われる子供達の先天性のアレルギー状態を考えれば、人類としての汚染の蓄積は進んでいると思われます。
去年、朝日新聞でどこかの研究機関か大学で東京湾に流れ込む水銀の量と、太平洋に流れ出す水銀の量と蓄積される水銀料の統計が出てましたが、ある時期に少し減ってからたしか20年か30年くらい、流入水銀量は変わらないそうです。水銀の使用については禁止されたか、減らしたかされたみたいですが、最初に使った大量の水銀がもう数十年減らずに東京湾に流れ出続けていると言う事で、壊れた自然の状況も少なくとも水銀についてはあまり変わってないんですね。
官僚制度を含めた政治形態と為政者の無知も変わっておらず、それが当時から30年以上時間を経た現在においてさらにその本に書いてある事が強い意味を持っていると思う事です。ここ数年色々見てきましたが自民党のホームページの会議の議事録は参考になりました。政治家と言う日本に置ける集団の指導者と言うべき人たちの物事への無知と言うのは、計り知れない物があります。
何かが変わるってのは時間がかかる事ですけど、ここまで人間に良く無いとはっきり分る事が、その政治に置いて、こんなに長い時間にほとんど変わらないってのはなんだか、もうある意味、色んなネガティブな感情を越えて、むしろ不思議ですらある気分です。
日本って何がいけないんでしょうね。
もしかして日本人と言うのは全体として頭が悪いのでは?と思います。
食べ物の状況はオーストラリアやヨーロッパや特にドイツは良いみたいですね。
やっぱりなんかちょっと情けない気分ですね。
 
shinji #79D/WHSg URL [2007/05/10 00:05] edit

光化学スモッグ

光化学スモッグは、中国の風で運ばれてくるものもあるかもしれませんが、温暖化や日本の空気の状況からくるようですね。
ウィキベディアより
>光化学スモッグ(こうかがくスモッグ)は、工場や自動車の排気ガスなどに含まれる窒素酸化物や炭化水素(揮発性有機化合物)が日光に含まれる紫外線の影響で光化学反応をおこし、それにより生成する有害な光化学オキシダント(オゾンやアルデヒドなど)が空中に停留しスモッグ状になることをいう。
>日ざしが強くて風の弱い日に特に発生しやすい。夏に多い。光化学スモッグが発生すると人の健康に悪影響を及ぼすため、大気汚染として問題となる。
>日本では1970年代をピークに減少傾向にあるが、ヒートアイランドなどの影響により増加している大都市地域もある。
あずーる #79D/WHSg URL [2007/05/10 10:45] edit

うん、うん・・・

shinjiさん
この本、本当に凄いです。薦めてくれて感謝です!^^
>そこに書いてある事にくらべて、多分30年以上立つのに、少し良くなった事や、新しい汚染や、悪くなった事や小さな変化はありますけど、全体として今の現実と大きく変わって無い所なんですよね。
>多分、今良く言われる子供達の先天性のアレルギー状態を考えれば、人類としての汚染の蓄積は進んでいると思われます。
私も同じように思いました。
この30年間、政治家や官僚は 私たちの税金を裏金づくりや談合ばかりして、税金を払っている私たちのことは そっちのけです。
東京湾の30年前とかわらない水銀量というのは恐ろしいですね。
現在も、原子力の廃棄物問題をかかえているし、地震のおこる可能性の高い日本で、新たな核再処理工場の建設で、さらに汚染を増やそうとしている。それから、おバカな久間防衛大臣による武器輸出なんていう議論もでてきてる。
>官僚制度を含めた政治形態と為政者の無知も変わっておらず、それが当時から30年以上時間を経た現在においてさらにその本に書いてある事が強い意味を持っていると思う事です。ここ数年色々見てきましたが自民党のホームページの会議の議事録は参考になりました。政治家と言う日本に置ける集団の指導者と言うべき人たちの物事への無知と言うのは、計り知れない物があります。
その無知な政治家を選んでいるのは、有権者なのが情けないですよね。
>何かが変わるってのは時間がかかる事ですけど、ここまで人間に良く無いとはっきり分る事が、その政治に置いて、こんなに長い時間にほとんど変わらないってのはなんだか、もうある意味、色んなネガティブな感情を越えて、むしろ不思議ですらある気分です。
こんなに自民党に都合のよい国を何十年も続けていけるというシステムをつくったという意味ですごい戦略ですね。
>日本って何がいけないんでしょうね。
もしかして日本人と言うのは全体として頭が悪いのでは?と思います。
そう思いたくなるのわかります。
でも、ネットの世界ではメディアにでている専門家といわれている人たちよりずっと専門的な知識をもって頭いい人も沢山いますよね。
私はやっぱり圧倒的な政府のマスコミを巻き込んでの情報隠しを長年やってきた事が今の状況をつくっているような気がします。ネットの普及が情報開示にむけて強い力になると思います。
この本でもでてきましたが、政府の御用学者やマスコミの意見を自分で考えて自分で判断することが必要ですね。
この本で勇気づけられたのは、30年前の農家でも産業界でも、どんな大変な状況になって、人の安全を第一に考える人たちがいて、それを支える人がいるということです。そんな人が多い社会が本当の高所得国といわれるのではないでしょうか。
あずーる #79D/WHSg URL [2007/05/10 11:15] edit

光化学スモッグの越境汚染

5・12 毎日新聞のWebニュースより
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070512-00000053-mai-soci">http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070512-00000053-mai-soci
>光化学スモッグ注意報が8、9日に全国で相次いだのは、中国の大気汚染が日本に流入する「越境汚染」が原因である可能性の高いことが12日、国立環境研究所などのシミュレーション分析で分かった。梅雨入り前までは同様の状況が周期的に訪れる恐れがあるという。
あずーる #79D/WHSg URL [2007/05/12 15:31] edit

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